第2のリーマンショック到来か

シリコンバレーバンク破綻のニュースが出ていますが,この件について考察をして見ました。



見出しの通り,今回のシリコンバレーバンク破綻によりリーマンショックのような事態が起こるでしょうか。

 

■結論

第二のリーマンショックになる可能性は限りなく低い。

この件が全世界に与える影響は小さい。

 

それでは内容へ!

 

まず初めに

シリコンバレー銀行とは?

 1983年からシリコンバレー地域で生まれたバンク企業。

 総資産約28から29兆円規模。全米16位くらいのバンク企業。

 日本で言うとコンコルディア福岡銀行並。地銀のTOPクラス規模といったイメージ。

 

シリコンバレーの状況

 シリコンバレー地域の起業の調達した資金をパーキング(一時的に預金)するのに便利な銀行。

 新型コロナの影響もあり,ここ数年も金利低下が続いており、国からの補助金制度が続いていた。

 つまりお金がジャブジャブ余った状態が続いていた。

 実際,シリコンバレーバンクもわずか3年で預金額が3倍以上になった。

 

 銀行目線で言うとお金を預かる。

 そのお金を運用して利鞘設けるなどする必要あり。

 ただし,コロナ禍と言うこともあり企業活動などもそこまで活発化することはない状態。

 そこでどうするかと言うと,債券投資を行った。

 信用リスクの高いMBS米国債で運用。さらに長期の運用に。

 

■なにが起こったか?

 債券は長期で運用して満期になれば確実に利益が出る。 ←これが大前提

 ところが,期中においては値段は変動する。

 経済や金利政策動向によって変わる。

 例えば,金利が上がれば債券価格は下がる。逆であれば債権価格は上がる。

 

 さてみなさんご存知の通り去年からなにが起こっているかというと、

 FRB政策金利引き上げにより金利が上がっています

 つまり債権価格が下がっている。

 

 シリコンバレーバンクは多くの方から預金いただいた資金を長期債権に投資している状況と先程記載しました。

 そんな中シリコンバレー企業業績も落ち込んでいる中,預金を切り崩す流れが出始めました。

 そうすると,預金を返すために,銀行はお金を準備しないといけない。

 但し,長期運用を元々進めていたので,すぐにお金を準備出来ない。

 預金者はお金を返してもらえない状況を感じ取り,きな臭い状況を察する。

 そして,そこから次々とお金を引きおろそうとする流れが出てくる。

 これを取り付け騒ぎと言います。

 

 こうなってくると本来は手放したくなかったお金を準備する必要あり。

 債権をお金に変える。

 但し,今金利がかなり上がっている状況のため債権価格が下がっている。

 ということで元本割れにも関わらず債権を売り込む必要が出てしまった。

 結果,破綻する状況に。という流れです。

 

■そもそもリーマンショックとは?

 ここで出てくるのが,比較としてリーマンショック再来では?ということです。

 リーマンショックについておさらいです。

 

 サブプライムローンという商品が当時取り扱われていました。

 これは,あまり返済能力のない人にもお金を貸すこと。

 極論で例えると,こじきにお金を貸す。30万ドルのお金を貸し付けて家を買わせる。

 1年後価格上昇したお金を売る。その差分で利息を払う。残りはその人の利益に。

 みたいなやり口。そうして,返済能力がない人がローンするという状況に。

 

 また,サブプライムローンを取り扱った1パッケージ商品を銀行が作り,国債やキャッシュなどを

 混ぜたりして、見た目上,良さそうな金融商品を作った。

 S&Pやムーディーズなど商品の格付けをする期間に,AAAなど格付けの

 良い商品を作り,機関投資家に買わせた。

 その商品が180兆円相当の額が世界中に出回った。

 簡単にいうと,サブプライムローン自体が毒饅頭みたいなものでその商品を潜ませた商品を売りまくる。さらに,リーマンはレバレッジをかけて投資を促した。

 その結果,破綻になった。

 

■一方で今回の事例は?

 これは限られたエリア(シリコンバレー),テック企業など限定的な内容。

 ということでリーマンショックとは性質はだいぶ異なる。

 

 あるとすると,連鎖的に他の地域でも同様なことが起こらないかという可能性はある。

 ただそれが全世界に起こるかというとそう言った可能性は低いと考える。

 

以上が考察です。

この件調べてみると,債権と金利の話,貸し付けさわぎが起こる悪循環の状況など理解も深まるかと思います。

周りの煽り記事を見て焦らず,冷静に判断できる考えを保つのが大事ですね

また色々発信していきます。